五感で感じるおもてなし。ミニマリストの心満たす体験記

茶臼


「おもてなし」。その語源は茶道の作法や精神からいわれるようになったそうです。
人とのふれあいの機会が少なく、なかなかおもてなしを感じることができない今、その語源となり、本物のおもてなしを体感できる都内の茶屋【櫻井焙煎研究所】を紹介します。
代表の櫻井真也氏は前回【こだわりをシェア。喜ばれる手土産〜表参道 編〜】で紹介したHIGASHIYAのマネージャーを経て、日本茶の価値観を広げて新しい愉しみを提案していきたいという想いから南青山に店舗を開設。今回は五感で感じたおもてなしポイントを紹介します。

櫻井焙煎研究所の看板


南青山の複合文化施設、スパイラルの5Fに櫻井焙煎研究所はあります。
エレベータを降りた瞬間から焙煎したお茶の香りが漂い、思わず目を閉じてその香りを楽しんでしまいます。入店すると、研究所というだけあって、白衣を着た店員さんが出迎えてくれます。ミニマルな空間には8席のカウンターのみで、そこはまるで趣きのあるBARのよう。

気分で選べる様々なメニュー

櫻井焙煎研究所のメニュー


単品での注文はもちろん、飲み比べやコースでの愉しみ方も。
まずはどうお茶を愉しみたいか、自分自身の今の気分を見つめながらメニューを選びます。今回は味わいの異なる様々なお茶を愉しみたかったため、「新茶」と「ほうじ茶」(茶菓子付き)2種の飲み比べを選択。

机に並んだ茶葉と湯呑み


運ばれてきたのは、木箱に入った全国から厳選されたお茶の葉。煎茶・ほうじ茶・オリジナルブレンド茶全18種類(時期により異なります)から2つの茶葉を選ぶのですが、産地も茶葉の作り方も違えば、苦味や甘み、後味も全て異なってくるため、2つ選ぶにもかなりの時間がかかります。今自分が何を求めているのかを考えながら、その日の気分で選んでみてください。

心落ち着く待ち時間

店内は黒と銅を基調とした重厚感ある雰囲気で、BGMもなくお茶を淹れる音だけが店内に響きます。

櫻井焙煎研究所の店内
(参照:公式Instagramより)


待ち時間の醍醐味は、空間を楽しむだけで終わりません。目の前で選んだ茶葉を焙じて淹れていくのですが、1つひとつの所作に意味があり、その洗練された動きに飽きるどころか目が離せなくなります。
例えば、沸かしたお湯を上から高めに注ぐことでお湯の温度が10度も下がり、口にする頃には丁度良い温度感になるそうです。
そこから急須に入れて湯呑へと注ぐのですが、一滴も無駄にしないよう、最後の水滴が落ちるまで待つ。その時間さえも、まるで時間が止まったような穏やかな時の流れへと変えてくれます。

お茶と見つめ合う時間

お茶を入れるマイスター


いよいよお茶をいただく時間。
急須に注ぐ前の香りを堪能する時間もあり、その濃厚な香りにまた癒やされます。
選んだ新茶の煎茶は、初めに苦味が、そしてその後にはほのかに甘みを感じ、そして後味はお茶の香りがすーっと残る、これほど味わってお茶を堪能する機会は少なく、その感覚に感動しきりです。
1種類2杯ずつ淹れていただけますが、その間、茶菓子もいただけるのでお口直しをした後にまたお茶をいただく。お茶を美味しくいただくための、無駄のない設計にもこだわりを感じます。

お茶とお茶菓子


2種類目のほうじ茶も、注ぐ前の香りを堪能。その後は、ほうじ茶をさらに少し煎り、それからお茶を淹れていただいたためか、より香ばしさを強く感じます。
ほうじ茶とともに出てくるのは、茶菓子ではなく、小さめのお漬物。塩気とほうじ茶の渋味が相まって絶妙なマリアージュが楽しめます。

お気に入りの茶葉は、お持ち帰りも

購入できる茶葉のディスプレイ


櫻井焙煎研究所で提供している茶葉は店内で購入することもでき(一部販売していない商品もあります)、お店で飲んだお気に入りのお茶をおうちでも堪能することができます。また、店内で淹れてくれた急須や湯呑と同じものなども購入できるため、店内の雰囲気をとことん追求してみることもできます。
お茶を淹れる際、お茶の種類によって適切な温度や量などで味が変化するそうなので、容量や時間を守って淹れるのが美味しく飲める秘訣です。

まとめ

茶葉のディスプレイ


櫻井焙煎研究所に訪れると、店内の趣のある空気感に触れながら、お茶を淹れる音を愉しむ。湯呑の温かさを感じながら、目で愉しみ、香りを愉しみ、味を愉しむ。まさに五感を使ってお茶を味わう愉しさを感じ、まさに日本人であることに幸せを感じる瞬間を体験することができました。本物のおもてなしを体験されたい方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
席数も限られているので予約されることをおすすめします。

櫻井焙煎研究所
櫻井焙煎研究所公式Instagram

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