ヒト幹細胞培養液には、さまざまなサイトカインや成長因子が豊富に含まれています。このヒト幹細胞培養液を、シャーレの中で培養した繊維芽細胞に与える実験を通じて、美肌に関わるたくさんの知見が得られてきました。
美肌成分ともいえるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を合成する繊維芽細胞
ここで繊維芽細胞について少し触れておきます。
線維芽細胞は皮膚の真皮にある細胞です。そして、この細胞は美肌成分ともいえるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を合成する役割を担っています。また、怪我をした場合には、大量のコラーゲンを合成して傷の修復を助けるという重要な役割もあります。
コラーゲンは、網目状の構造をしており、肌のハリに深く関わっています。
エラスチンは、バネのように働き、肌に弾力を持たせる成分で、ヒアルロン酸はたくさんの水分を抱え込み、肌に潤いを与える成分です。
ヒト幹細胞培養液に含まれる成分を線維芽細胞が受け取ると美肌成分の合成が活発に
研究の結果、わかったことは、ヒト幹細胞培養液に含まれるシグナル成分を線維芽細胞が受け取ると、これらの美肌成分の合成が活発になるということ。
線維芽細胞を元気にすることで、肌にハリと弾力、そして潤いのある状態に導くことができると考えられます。加齢や紫外線などのダメージによってコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が減少すると、シワやたるみの目立つ肌になってしまいます。
さらに、ヒト幹細胞培養液には、シミやくすみの原因となるメラニン色素を抑制することも分かってきました。
こうした研究の積み重ねによって得られた知見を、うまく化粧品に活かした開発をすることによって、初めて本当の意味でのスキンケアが実現すると考えています。なかには、ヒト幹細胞培養液の特徴をよく理解せずに、PRのために微量添加しているだけの商品もありますので、注意が必要です。肌に年齢を感じ始めたとき、およそ欲しいと思われるたくさんの働きがヒト幹細胞培養液にはあります。
いつまでも美しい肌を保つためのカギがヒト幹細胞培養液にあると言えるでしょう。