紅葉がきれいな晩秋は、どこかへ旅に出かけたくなるもの。特に秋の京都は神社仏閣と相まって、一年で最も美しい景色が楽しめます。そこで今回は、紅葉を満喫しながら、ミニマリストの間でもブームの御朱印を集める京都の旅をご提案いたします。最小限の荷物だけを持って、気軽に京都の寺院を巡ってみませんか?
POINT.1 御朱印とは、お寺とのご縁を結ぶもの
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旅に出かける前に、少しだけ御朱印のお話をさせてください。みなさんは、御朱印をどんなものだと思われていますか?御朱印とは本来、寺院に参拝して写経を収めた際に、「そのお寺が信仰している対象、“ご本尊”とのご縁が結ばれた」という意味で渡されるものでした。そのため、ご本尊や寺院名の印が入っており、ご本尊の名前が墨で書かれています。
ところが最近では、写経をしなくても「寺院参拝の証明」として気軽にもらえるようになったため、「どれだけたくさん集めたか」を競争するような風潮も生まれています。ですが本来の意味は、あくまで「ご本尊のご縁が結ばれる」というもの。単なる記念スタンプではないので、自分が「ご縁を結びたい」と感じる仏様の御朱印だけを選んでもらえばいいのです。
また御朱印は、丁寧に気持ちを込めて書いているからこそ、ある程度時間がかかる場合も。時間にゆとりを持って訪れて、ご本尊に参拝してから感謝の気持ちでいただくのがマナーです。
POINT.2 秀吉・ねねにあやかって夫婦円満、恋愛成就を祈願
では、京都に無数にある中から、どんなお寺とご縁を結ぶといいのでしょう。一つの考え方として、自分が得たいご利益から考えるのもいいかもしれません。例えば、恋愛成就や夫婦円満のご利益のある寺院とご縁を結びたい方には、東山区にある高台寺がおすすめです。
高台寺は、秀吉の菩提を弔うために正室のねねが開創した寺です。「おしどり夫婦」として有名だった二人にゆかりがあることから、恋愛成就や縁結び、夫婦円満のご利益があるとされています。そして、そんな高台寺の御朱印には「佛心」と大きく書かれており、これは「慈悲の心」という意味なのだそうです。
また、こちらの庭園は、戦国から江戸時代にかけて、「茶室の庭の芸術性を極限まで高めた」と言われる大名・建築家の小堀遠州によるもので、国の史跡・名勝に指定されています。秋には、敷地内の臥龍池を中心とした常緑樹の濃い緑と紅葉のコントラストが見事。そこにお堂や回廊も合わさり、風情あふれる表情を見せてくれます。ちなみにこちらでは、座禅や茶道の体験も開催されていますので、興味のある方は、事前に予約の上体験されるのもおすすめです。
<高台寺>
京都市東山区下河原町526
https://www.kodaiji.com
POINT.3 燃えるようなカエデの風景と秋限定御朱印
京都の旅にフォトジェニックな紅葉の風景を期待される方には、東福寺がおすすめです。こちらは、歴史的に実在した人物で、悟りを開いたお釈迦様「釈迦如来」がご本尊。何か悩んでいること、答えを出したいことがある時にご縁を結ぶといいかも知れません。仏殿には「釈迦如来」の像も安置されています。
東福寺は1236年から1255年頃にかけて、当時の摂政関白であった九條道家によって創建された寺ですが、その後焼失したことから、1939年にガーデナーの重森三玲が再興。アートを取り入れた近代的なデザインが美しく、国指定の名勝に登録されています。境内には2000本ものカエデが植えられており、その燃えるような赤を、本堂と開山堂を結ぶ橋の廊下、「通天橋」から見渡す秋の風景は、言葉を失う美しさです。
御朱印にはかつてのこの寺院の呼び名である「大佛賓殿(だいぶつほうでん)」と書かれており、紅葉の季節限定でモミジのかわいいスタンプを押してくれるので、旅の素敵な思い出にもなりそうです。
<東福寺>
京都市東山区本町15
POINT.4 百人一首の選者が愛した、小倉山の紅葉
紅葉の風景と言えばモミジが欠かせませんが、京都で古くからその名所として知られているのが小倉山です。かつて「小倉百人一首」の選者・藤原定家がその風景を愛したことで知られ、小倉山の山荘で「小倉百人一首」に掲載する歌を選定したことでも知られています。
この山の中腹にある常寂光寺(じょうじゃっこうじ)では、秋、境内全域に植えられたモミジが山を赤く染め上げます。そのあまりの美しさから、お寺の建つ地が「常寂光土(極楽浄土)」のようであるという意味で、「常寂光寺」と名付けられたのだとか。境内からは京都市街も一望できます。
常寂光寺の山門をくぐると重要文化財に指定されている仁王門があり、その中には、鎌倉時代初期に活動した仏師 運慶作と伝えられる迫力の仁王像が。実はこの仁王像には、「足腰を丈夫にしてくれる」という言い伝えがあるそうなので、スムーズな旅路を祈願するのもいいかしれません。
常寂光寺の御本尊は十界大曼荼羅(地獄、人間界、天界など「十の世界」の諸仏・諸神を配置している図)で、御朱印は、大変縁起の良い言葉とされる「福寿海無量」をはじめ、「宝樹多花果」「唯佛与佛」「南無妙見大菩薩」「百花百香」の合計5種類の言葉が書かれているものから選ぶことができます。それぞれの言葉に特別な意味があるので、祈願したい内容や得たいご利益に合わせて選び、ご縁を結ぶのがおすすめです。
<常寂光寺>
京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
まとめ
いかがでしたか?年に一度の紅葉シーズン、ぜひ素敵な風景を御朱印集めと共に楽しんでみてください。もちろん、お寺巡りの合間に、ちょっと寄り道してランチやスイーツを満喫するのも旅の醍醐味です。京都にはグルメなお店もたくさんあるので、またぜひご紹介させてください。
<参考サイト>
『御朱印でめぐる京都のお寺 改訂版』/Gakken
夫婦円満のご利益!秀吉とねねの思いが詰まった『高台寺』 | 神社・お寺.net (jinja-otera.net)
日本庭園の設計者たち | ワゴコロ (wa-gokoro.jp)
東福寺の御朱印の種類まとめ(京都)|青もみじ、秋の紅葉限定の御朱印も!現地レポ | 開運戦隊 御朱印ジャー (jinja-gosyuin.com)
高山寺の御朱印(京都市)|オリジナル御朱印帳がカワイイ!現地レポ | 開運戦隊 御朱印ジャー (jinja-gosyuin.com)
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